■ 第22回(2009.06.11):月曜日が待ち遠しくなる職場づくりに貢献したい
ビジネスコーチの橋場 剛です。
2003年6月、私は30歳を迎えると同時に前の会社を辞めました。
今月でビジネスコーチングの仕事を始めてちょうど丸6年になります。
会社を辞める少し前、
「my life without me(邦題は『死ぬまでにしたい10のこと』)
というタイトルの映画が公開されていました。
清掃会社で夜勤として働く主人公のアン。
アンはある日激しい腹痛に襲われ病院に運ばれ、末期がんだと分かり
あと余命は2、3ヵ月と宣告されてしまいます。
そして映画のタイトルと同じく、主人公のアンは
死ぬまでにしたいことをつらつらとノートに書き出していきました。
2003年の春、私はアンとまったく同じことをしました。
「このままでいいんだろうか?」という漠然とした不安と、
「自分の能力が十分に発揮されているだろうか?」という
不完全燃焼な想いに悶々とした日々を過ごしていました。
大きなプロジェクトの一員として朝から晩まで仕事に忙殺され、
会社で働く目的を完全に見失っていました。
そして心のどこかでこんな気持ちが強くなってきました。
「小規模でもいいから、個人や組織の成長にダイレクトに貢献したい」
ところがいざ「死ぬまでにしたいこと」をノートに書き留めようとすると
やりたいことがまったく思い浮かばず、我ながら愕然としました。
ああでもない、こうでもない、と頭をひねっても
初めは5つくらいしか浮かびませんでした。
自分は何をやりたいのか?
自分はどんな人生を歩みたいのか?
自分はどんなときに楽しさや充実感を感じるのか?
毎日毎日、ノートに書き出した箇条書きのリストと
にらめっこをして、リストから「やりたいこと」を削除したり、
リストに「やりたいこと」を追加したりしていきました。
数週間にわたって毎日、自問自答を繰り返していくと
「本当にやりたいこと」がだんだんと絞られてきました。
リストの中には、「○○へ旅行をする」とか
「○○の映画を観る」といった些細なこともありましたが
「30代でチャレンジしたい唯一の仕事」として
最後までリストに残り続けたのがビジネスコーチングでした。
自問自答を繰り返しているときに
新聞でたまたまコーチングに関する記事を見つけ
スポーツ以外のビジネスの場面でもコーチという存在がいることに
私は衝撃を受けました。
「個人・組織の持つ強みを引き出す」ことで
人や企業の成長に寄与できるという手法は
当時の私にとって強烈なインパクトがありました。
「これは人生の中で一度は真剣に取り組んでみたい!」と
思わせるのに十分な魅力を持っていました。
ビジネスコーチングの存在を知った私は
「下りのエスカレーターを下から一気に駆け上がる」勢いで
すぐに自分にコーチをつけ、
当時実施されていた数少ないコーチングのプログラムに全力で参加し、
すぐに自分でもコーチングを実践してみました。
はじめは1人で細々と行っていましたが
「自分自身が組織に身を置いてマネジメントに従事しなければ
ビジネスコーチングを受ける方(クライアントの方)への説得力がない」
と考え、いまの仲間・メンバーと共にビジネスコーチ(株)を設立する
決意をしました。
料理人が提供するものが「美味しい料理」であり、
芸人が提供するものが「笑いと感動」であるならば、
ビジネスコーチが提供するものは「気づき」であり、
「経営陣やリーダーに対して、組織活性化や組織の目標達成をする
という目的のための行動変革の支援」
です。
弊社はこれまでに150社以上に対して研修やコンサルティングの
プログラムを提供・実施してきましたが
古今東西どの企業も“葛藤”しています。
葛藤しているのは、
■どうすれば、組織の風土が改善されるのか?
■どうすれば、社員がモチベーション高く仕事をするようになるのか?
■どうすれば、「変革」が一過性のものでなく、継続させられるのか?
■どうずれば、組織としての生産性が高まるのか?
■どうすれば、組織に「ルール」「仕組み」が定着化するのか?
といった組織の重要な課題であり、
いずれもビジネスコーチングで扱うテーマです。
この6年間、私自身がビジネスコーチングを現場で実践してきて
一番嬉しいなと感じる瞬間は、やはり
お客様から現場での変化や成果に関してお電話やメールで
お知らせをいただくときです。
それは組織の“葛藤”の一部が確実に解消された瞬間であり
「個人や組織の成長へのダイレクトな貢献」を実感できる瞬間でもあります。
6年間の現場経験を振り返って最も大きなギフト(贈り物)を
1つだけ挙げるとしたらは、それは
■お客様(クライアント)の言動から教わった多くの学び
かもしれません。
これは、自分よりも遥かに経験豊かで優れたビジネスパーソンの方々に対する
ビジネスコーチングの機会と、彼らとの深い交流の中からこそ得られた
何物にも替え難いものです。
自分よりも経験も地位も能力も高い方や、日本を代表する一流企業に対しても
十分に貢献しうるというところがビジネスコーチングの不思議なところでもあり、
また魅力の1つかもしれません。
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私は研修やコンサルティングの場面で
参加されている皆さんによくこんな質問をします。
■「月曜日が待ち遠しい方はどれくらいいらっしゃいますか?」
■「仕事が楽しくてしょうがないという方はどれくらいいらっしゃいますか?」
残念ながら、手が挙がる人数は極めて少ないのですが、
この割合が今よりも10%でも20%でも増えれば
中途半端なリストラなんかをするよりも
企業全体としての生産性、社会全体としての生産性は
飛躍的に向上するのではないかと常々思っています。
ビジネスコーチングの方法論は今なお発展途上にありますが、
ビジネスコーチングは組織開発の一翼を担える手法です。
まさしく「求めよ!さらば与えられん 叩けよ!さらば 開かれん」
という言葉の通りです。
ご自身のこれまでの経験・実績・専門性を
組織変革のフィールドで存分に活かしたい方々と共に
これからもビジネスコーチングを発展させられれば、
更に多くの企業とビジネスパーソンを
元気にできるのではないかと思っています。
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