現場を読む

■ 第13回(2008.12.04):島田紳助氏が話した『真面目』の定義とは?

ビジネスコーチの橋場 剛です。

仕事柄、企業の経営者やマネージャーの方々に 組織力強化のヒントをお伝えするため、 ビジネス書やビジネス誌、テレビの経済番組などをチェックしています。

また、研修やコンサルティングを実施させていただいたお客様から 組織力強化に関する貴重なお言葉やメッセージを頂戴する機会も 少なくありません。

自分にとって考えさせられる言葉や気づきを与えられた1フレーズは、 いわゆる「ネタ帳」にその都度ノートに残しています。

・組織活性化の要諦
・人生についての箴言(しんげん)や名言
・時間の使い方
・仕事をする上での心構え
・プロフェッショナルとしての考え方
など。

一年を振り返るにはまだ少し早いかもしれませんが、 今回はこのメルマガの読者のみなさまへ、1年間の感謝とお礼の気持ちを 込めて私の「ネタ帳」の中から厳選した「心に残った3つの言葉」を ご紹介したいと思います。

◆第3位:
「<真面目>の定義とは、  『あなたは何がしたいのですか?』と人に聞かれたときに   30分以上熱く語れること」
 (2008年9月1日 日本テレビ『人生が変わる1分間の深イイ話』    での島田紳助氏によるコメント)

【選定の理由と解説】
今年も1年間、多くの企業での研修やコンサルティングの現場で、 成果を出す人・チームの中で存在感がある人には共通する ある重要な要素を改めて感じることがありました。

それは「仕事としてではなく、『心の底』から語っている」ということです。

「やりたいこと」があって、それを「仕事」や「会社」という ツール(手段)で実現させていく。 そしてその「やりたいこと」のベクトルは「自分のため」ではなく、 「他人」や「社会」に向けられている。

いわゆる「デキる人」にはそんな“心意気”“情熱”を感じました。

心意気や情熱がある、というのは決して 表面的な熱さや単なる口数の多さではないような気がします。

一見クールで物静かであっても、胸の内では情熱の炎を燃えたぎらせている ような魅力ある方と、この1年間で数多く出会う機会がありました。 「やりたいこと」を強く意識されているからこそ伝わる、 迫力なのだと思います。

言葉は「人」を動かしますが、 心意気は「人の心」を動かすのだと思いました。


◆第2位:
 「(人と組織のモチベーションを上げるうえで)   結局一番大事なのは『情報共有』です」
  (2008年6月12日 テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」    でのコマツ会長 坂根正弘氏によるコメント)

【選定の理由と解説】
強い逆風の中、着実に業績を上げ続けている企業経営者による メッセージということで、シンプルですが説得力がある言葉です。

情報共有というのは、一言で言えば、 組織の中で起こっている
「うまくいっていること」
「うまくいっていないこと」
を関係者全員ですぐに共有するということです。

●情報共有さえ行われれば あとはチームのリーダーが主体的にメンバーに働きかけ 組織を動かしてくれる。

●情報共有さえ行われれば、 組織のメンバーが当事者意識を持って動いてくれる。

以上2点が坂根氏のメッセージの要諦だと思いました。


◆第1位:
 「あなたの周りの人をコーチしなさい(=人に貢献しなさい)」
  (2008年10月29日 エグゼクティブ開発セミナー(※)での    マーシャル・ゴールドスミス氏によるコメント)

※セミナー開催レポートの詳細はこちら
http://mg08.businesscoach.co.jp/report.html

【選定の理由と解説】
数多くのエグゼクティブをコーチしてきた ゴールドスミス氏の言葉だからこそ重みを持っているように思います。

成功した数々のエグゼクティブの方々へのインタビューを行ったところ、 引退後に”誇り”に思うことは富でもなければ、名声でもなければ、 地位でもなかったそうです。

引退後、そして臨終の間際に本当に誇りに思えることは、

“どれだけ人をコーチできたか”(=どれだけ人に貢献できたか)。

周りに貢献できるからこそ、自分自身も“Happy”になる、 自分自身も「いま」を楽しむことができる、 その1つ1つの「今」の積み重ねが充実した時間・充実した人生になる。

マーシャル氏からのメッセージは、 一人のリーダー・エグゼクティブコーチという枠を超えて、 一人の人間としての力強い、すべてのビジネスパーソンへの 熱い応援メッセージであるように感じました。

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メルマガ読者のみなさまにとって 2008年で最も心に残るフレーズは何だったでしょうか。

ご家族との会話、 上司・同僚からの言葉、 ご友人との会話、 お客様からの温かいメッセージ、 北京五輪を全力で戦ったアスリートからの言葉、 この1年間で読んだ本、 この1年間で観た映画、 この1年間で観たテレビ番組・・・。

決して明るいニュースばかりではない1年でしたが、 ご自身にとっての「ベスト・フレーズ」を<1つ>決めて 2008年を締めくくられてはいかがでしょうか。

年内のわたくしのメルマガ連載は今回が最後となります。 最後まで読んでくださったみなさま、 本当にどうもありがとうございました。

2009年もみなさまにとって刺激となるような 情報提供をしていきたいと思っております。 今後ともご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。



■ ビジネスコーチの目

「ね」の効用

魅力的な人、チームのメンバーから信頼される人、
いわゆる「仕事がデキる人」たちは
言葉にこだわり、言葉を大切にする傾向があります。

歌人の俵万智氏の短歌に次のような作品があります。

「寒いね」と話しかければ
「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

「ね」を除いて、もう一度この作品を読んでみてください。 まったく作品の印象が異なるかと思います。

人の気持ちを大切にする人は、言葉の使い方にとてもこだわる人が多い、 というのが私、橋場のささやかな経験からする感想です。

その1例が、<語尾へのこだわり>です。 彼らは「ね」とか「だね」といったたった1つの接尾語がつくだけで 気持ちやあたたかさを伝えられるということをよく知っている人です。

○「寒い」と「寒いね」の違い。
○「おつかれ」と「大変でしたね」の違い。
○「お返事ください」と「お返事をお待ちしていますね」の違い。

メールでも手紙の文章でも 「この人は実に温かい文章を書くなあ」と 読んだ瞬間に元気づけられるようなメール・手紙をもらうことがあります。

相手に「伝わる」メールや手紙を書くことができる人は 必ず書いた文章を最低1度は読み直しています。

几帳面な人なら、大事な文章であれば「一晩寝かせる」方もいらっしゃいます。

そして、口にする前に、文字にする前に、 次のような質問を自らに問いかけます。

○「相手にとって分かりやすい文章・言葉になっているだろうか?」
○「はじめてこの文章・言葉を読んだ人(聞いた人)はどう思うだろうか?」
○「相手に別の意味に取られてしまう可能性はないだろうか?」
○「相手にとって失礼に当たるようなニュアンスの表現はないだろうか?」

こうした質問を瞬時に自分自身に投げかけ、セルフチェックをしていきます。

「事務的な連絡事項の伝達」を目的としたコミュニケーションの場面を除けば、 あいさつもメールも手紙もすべて人間同士のコミュニケーションなわけですから 相手にとって「受け取りやすい」形に加工することが求められるのだと思います。

年末年始の挨拶や年賀状の作成などにもご参考になれば幸いです。