現場を読む

■ 第12回(2008.11.20):「PDCAのサイクルを回すこと」って意外と難しい

マーシャル・ゴールドスミス氏の来日から、早1ヶ月が経とうとしています。

ゴールドスミス氏が残してくれたメッセージは、 前回の『現場を読む』で紹介したとおりです。
http://bcs.businesscoach.co.jp/column/column_11.html

そのひとつひとつが含蓄のある言葉であり、 エグゼクティブならずとも、一人のビジネスマンとしても 多くのことを考えさせられます。

さて、一般的にマネジメントサイクルと呼ばれる『PDCA』。 『PDCAとは何か、このサイクルを回すことが大切なんだ』と 耳にたこができるくらい、皆さんは聞いている言葉だと思います。

では、質問です。
「あなたのチームでは、『PDCA』はきちんと回っているでしょうか?」

これまで、数多くの組織を見てきましたが、 残念ながら、本当にPDCAが機能している組織はそれほど多くはありませんでした。

皆さん、口々に、
「目の前の仕事で目一杯」
「これまで生きてきた中で、今が一番忙しい」
「重要性はわかっているけど、そんな時間は取れない」
と言うのです。

「マネジメントサイクルはこうあるべき」ということを いくら頭で理解していても、実行出来ていないのが多くの組織なのです。

特に、「Plan」はあるけれども、「Do」「Check」「Action」のサイクルがほとんど 機能していないということを本当によく聞きます。

ではどうすれば「Do」「Check」「Action」のサイクルが回るようになるのでしょうか。

その解決策の1つの鍵は、「単純化」です。
単純化することによって、やり方を覚え、習慣化できるようになるのです。

PDCAを回すために、私たちが使っている単純化したツールが「4つの質問」です。

4つの質問とは、
1.うまくいったことは何か
2.うまくいかなかったことは何か
3.うまくいかなかった原因は何か
4.次の一手は何か
です。

各質問に対し1分30秒で答えるため、6分あれば完成です。 1週間の時間の中で、6分の時間を割くことが難しい人は どれだけいるでしょうか。

PDCAがあまり機能していないと感じている方には、 この「4つの質問」はお勧めです。

「たったこれだけの質問?」と思われるかもしれませんが 奥が深いのです。

「4つの質問」の可能性をとことん追求してみたい方は ぜひ拙著「強いチームの報・連・相」をご覧ください。
http://www.chukei.co.jp/cgi-bin/books/detail.rb?o_id=3174

各職場・会社にあわせたカスタマイズ例や記入例も多数掲載しておりますので 少しでもお役に立てるものと思っております。



■ ビジネスコーチの目

◆学校再生から見る、一致協力した組織のつくり方
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 「心のスイッチを入れた」きっかけ
 品川女子学院 漆紫穂子校長の学校再生
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20081007/172917/
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今や都内でも有数の人気高である、品川女子学院。 かつては生徒数減少に悩まされた時代もあったようです。

そのような状況を立て直したのが、漆紫穂子校長です。

漆校長の考えには、ビジネスコーチングと共通する部分が多くあります。


(引用開始)-------------------------------------------------------
スイッチが入らなければ人は変わらないのと同じく、人から与えられた 目標では人は動かないのではないでしょうか。職場で「部下はなぜ自分 の言うことをなかなか分かってくれないのだろう」とイライラすること があると思います。それは、相手も自分も、「100%自分が正しい」と 思っているからだと思うのです。自分は「100%Aだ」と思っている時に 相手から「Bだ」と押しつけられても心から従うことは難しいでしょう。
(引用終了)-------------------------------------------------------

100%自分が正しい、と思っているのが人間です。ビジネスコーチングの 言葉で言うと、「思考の枠」を持っているのが人間なのです。そういう 人間の特性を理解すること(人間理解)が、一致協力した組織を作り上げる 土台になるのです。


(引用開始)-------------------------------------------------------
その中で大事にしたのは、毎日生徒と一緒に過ごす先生たちの 「気持ち」と「誇り」です。「なぜ学校の教師になったのか」とか 「どういう瞬間に一番やりがいを感じるか」といった、 「教員としての原点」です。
(引用終了)-------------------------------------------------------

なぜその仕事をしているのか、自分にしかできないことは何か、などを 普段の仕事のなかで考える時間はあまりありません。 ビジネスコーチングでいう、「ミッション」を明確にするということが まさにこのことです。


(引用開始)-------------------------------------------------------
結果的に出来上がったものは、それ以前に2年ぐらいかけて私自身が つくって持っていたものと近いものでしたが、全員が一緒になって つくった意味は大きかったです。つくる過程を共有することで気持ち を共有することができ、チームワークがよくなったし、何より 「学校の目標」が「自分の目標」になりました。みんなが 「参加すること」が大事だったのです。
(引用終了)-------------------------------------------------------

「全員が参加すること」「つくる過程を共有すること」、これこそ ビジネスコーチングで実践していることに他なりません。 その場をファシリテートするのが、ビジネスコーチの役割です。

興味深いのは、漆校長が行ってきた学校変革の順番です。 もし、「学校の目標を作る」ことから始めていたならば、 うまくいかなかったでしょう。

少子高齢化が進む中、品川女子学院が今後どのように発展していくのか、 ビジネスコーチとして、そして子供を持つ親として目が離せません。