現場を読む

■ 第10回(2008.10.16):プロのビジネスコーチが会議で必ずする質問とは?

ビジネスコーチの細川馨です。

私たちのコンサルティングの中で、「アクションミーティング」というものを 行っています。

アクションミーティングの内容を端的に言えば、参加しているメンバー全員で 知恵を出し合い、目標達成のために「誰が」「いつまでに」「何を」するのか を決めることです。

このアクションミーティングの中で、必ずする質問があります。それは、 「誰がリーダーになれば、チームのパフォーマンスは最も高まりますか?」 というものです。

この質問は、課題に対しメンバーの知恵を出し合って 解決策を考えた後に行います。

「誰がリーダーになれば、チームのパフォーマンスは最も高まりますか?」 という質問には、一体どのような効果があると思いますか?

その1つは、リーダーを機械的に決めるのではなく、 適任者を選ぼうという意識を持った上でリーダーを決められる、ということです。

一般的に、何かプロジェクトが始まるとき、役職や年齢、経験値だけで リーダーが決まってしまうのです。

逆説的に言えば、チームのパフォーマンスを高めるという 切り口がないままの人選だということです。

これで本当にチームのパフォーマンスが高まるのかということに 私は疑問を感じざるを得ません。

「誰がリーダーになりますか?」
「誰がリーダーになれば、チームのパフォーマンスは最も高まりますか?」

という質問の違いです。


それともう1つ。選ばれたリーダーが、メンバーを巻き込みやすくなります。

リーダーは自薦、他薦を問いませんが、メンバーの納得の上で決めます。 リーダー自身も、チームのパフォーマンスを高めるというコミットメントは とても強いものになっていますが、メンバーにおいても、 そのリーダーを選んだ責任を強く感じているのです。

これは経験上なのですが、「自分がリーダーになります!」とメンバー自らが 手を挙げるケースは、なぜかそのコンサルティングが成功する(目標達成する) ことが多いです。

「誰がリーダーになれば、チームのパフォーマンスは最も高まりますか?」 という質問を、ぜひ会議の場で投げかけてみてください。



■ ビジネスコーチの目

◆わくわくするビジョンを実現する会社
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 「いい会社を作りましょう」
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社団法人中小企業研究センターでは表彰事業を営み、 毎年10数社の企業が、その表彰を受けています。

表彰は4種類ありますが、その中で最高の賞である、 グランプリを獲得した会社で、伊那食品工業というところがあります。

字の通り長野県伊那市にある寒天メーカーで、何と 国内シェア80%、海外シェア15%を占める、世界のトップ企業です。

この伊那食品が掲げる、会社のビジョン(社是)は、 「いい会社を作りましょう」というものです。

いい会社とは何か、それを次のように説明しています。

「いい会社とは、単に経営上の数字が良いというだけでなく、 会社をとりまくすべての人々(仕入先、得意先、地域の皆さん、従業員)が、 日常会話の中で『いい会社だね』と言ってくれるような会社のことです。 さらに、社員自身が会社に所属する幸せをかみしめられるような会社をいいます」

このビジョンの下に「無理な成長を追わない」「敵をつくらない」 「成長の種まきを怠らない」という経営方針を打ち立て、 2005年まで48年間増収増益を続けていました。寒天ブームがあったため、 2006年にはその記録は途絶えましたが、翌年から再び増収増益を 続けています。

「伊那食品は素晴らしい会社だ」と思わせる所以は、このビジョンを 具現化しているところです。

例えば、社内の6つの部門の1つである、ふれあいサービス部門では、
・約6万平方メートルのガーデンを作り、地域の人が自由に散策できるようにしている
・地域の文化活動のために、かんてんぱぱホールを建設
といった形で、地域の皆さんに「いい会社だね」と言ってもらえるようなことを 事業として展開しています。

まさに、ビジョンを具現化している(しようとしている)会社なのです。

ビジョンがなかなか浸透しないと悩んでいる経営者の方、 あるいは、一致協力した組織になっていないと思われている管理職の方、 伊那食品の成功事例を研究されてみたらいかがでしょうか。