■ビジネスコーチングのテーマは何?
当社(販売会社)初である、事業主の看板商品の販売受託を、初めてチームリーダーを任せるものが率いるチームで、いかにして効率よく成功させるか
■ビジネスコーチング開始時のクライアントの状態は?
2006年の初頭、事業主より看板商品の販売委託の打診を受けた。
当初看板商品はその販売の全てを別の子会社が受託し、当社が販売の委託を受けることは初めてであった。なおかつ景気は若干よくなってきたとはいえ、まだまだ厳しい時期であった。加えて、立地のポテンシャルの低さ、看板商品のシリーズの中では一番の高額帯、他の立地の看板商品の販売を、別の子会社が受託している中での共同販売(常に比較される)という非常に苦戦が予想される現場であった。
リーダーは中途入社で社歴5年の主任、その下に若手の副主任、以下販売時のみ臨時で雇う派遣社員という構成であり、しかもリーダーを任せる主任は今回が始めてのリーダーという大役、その下でフォローする副主任は、入社以来他業務を行ってきて、販売受託業務については素人同然といった状況であった。そのような中、チームのメンバーばかりでなく、周囲の誰もがこの人員でやっていけるのかという声が聞かれるほど状況は深刻であった。
その責任者として私が任命された。
私としては、とにかくこのチームを成功に導き、リーダーの主任と副主任を成功させ、各々がひとり立ちできるようにしなければならないというミッションがあった。
(ビジネスコーチングプラン)で、どのようなビジネスコーチングを実施したのか?
まず私が立てたコーチングプランはクライアントである彼らを良く知ることであった。私は2005年の12月に中途入社をして管理職になった立場であったため、彼らとの信頼関係構築から入らなければならない状況であった。
そのため私はまず彼らの信頼を得る為に、年度初めの目標設定シート作成のタイミングを利用し、何度もパーソナルコーチングを行った。パーソナルコーチングにあたってはなるべきニュートラルな状態で、主に傾聴、的確な質問のスキルを心がけて使うようにし、人間理解に注力した。
その様なプロセスを踏んだ結果、リーダーを任せる主任は社交派、その下の副主任は友好派であるというタイプ分け分析を行った。そして、彼らの信頼を得るということに成功したのであった。
その後私は彼らにタイプ別の接し方に取ることにした。基本的な接し方として、社交派の主任に対してはIメッセージによる承認、そしてアイデアを引き出す質問を多用し、友好派の副主任に対してはWeメッセージを使った承認と5W1Hでコミットメントをとること、やっていない場合については時には厳しいフィードバックも使うことにより、彼らのパフォーマンスを高めるよう努力した。
次のコーチングプランとしてはまず予実管理を徹底した。販売受託という性質上、非常にチームプレイという要素が強く、今日やっても明日やっても結果はそう変わらない側面もあり、それが彼らの日常の中で当たり前になっているように感じられたからである。
そのためのツールとしての予定と実績が分かるよう習慣予定表の提出を義務付けた。さらに日常のチームミーティングにおいては毎週月曜日にビジネスコーチングシートの提出を義務付け、それを目的にアクションミーティング主体のミーティングを行い、常に彼らの頭の中をクリアーにしてやるということに注力した。
その他モチベーションを挙げる手段としてはランチミーティングを多用した。
■クライアントは実際にどのような行動を起こし、その結果どのような成果が上がったか?
まず、真っ先に成果が上がったことを実感できたのはリーダーである主任である。
彼はもともと達成意識が強く、ほめると一生懸命頑張るが、仕事の内容が雑であり、報連相にもむらがあった。また、明るくて表裏のない性格なのではあるが、自分の部下にストレートに不満をぶつけたり、失敗の原因を他動的要因に求める傾向があった。
まず変わったのは自分がリーダーであるという責任感が生まれ、仕事に対して常に真剣に取り組むようになった。また私が彼に君は僕の右腕になってほしいとリクエストしたその日から、報連相の頻度も明らかに増えてきた。そして部下の失敗や私からのフィードバックに対しては、いったんそのことを飲み込んで、そして考えた上で行動するようになってきた。
次に友好派の副主任であるが、以前は指示されないと動かないというタイプで社内での評価も低かった。
しかしながらコーチングのセッションを行っていくことにより、自発的に考え行動するといった場面が度々見られるようになった。また、チームのために貢献したいという意識も芽生えてきて、それが行動に現れることも多くなった。また、以前はおとなしくあまり意見を言わないタイプだったのが積極的に発言し明るくなったのも特筆すべきところである。
そういった彼らの変化がもたらしたものは、まず2006年度上期の売り上げは予算に対し120パーセントを達成し、下期においても途中の段階ですでに予算対比100%を達成し、現在ではあれほど厳しく、苦戦が予想された予算のすべてをやり終え、今年からは主任においては、事業主が社運をかけて望んでいるドリームプロジェクトのリーダーに大抜擢される所までいたったのである。
蛇足ではあるが私もその功績で、今期全社で1人だけのS評価を甘受することが出来た。







